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2022.02.10

不動産投資に必要な資金はいくら?自己資金ゼロでも投資は可能か。

不動産投資

不動産投資を始めるにあたり、重要となってくるのが開始に当たっての必要資金です。

不動産投資にはいくらぐらいの資金を用意すれば良いのでしょうか。自己資金がなくても始めることができるのかについても解説します。

不動産投資に必要な自己資金とは?

不動産投資を始める際に、自分で用意しなければならない自己資金は「頭金+諸経費」で構成されています。頭金と自己資金の違いをみていきましょう。

用意するべき頭金とは?

「頭金」とは不動産の購入金額のうち、ローンで用意する金額を除いた部分です。

例えば、3,000万円の物件を購入する場合ではどうでしょう。1,000万円を自身の預貯金から支払い、差額の2,000万円を銀行から借りることにします。この場合、預貯金から充てる1,000万円が頭金となります。

不動産の購入代金のうち頭金の割合が多いほど、ローンの返済金額が少なくなるため、毎月の出費を減らせます。

だからといって預貯金から無理に頭金を捻出すると、後々の資金不足を招く心配があるので気をつけましょう。不動産投資はさまざまなコストがかかりますが、その中でも大きな割合を占めるのが修繕費です。

年数の経過とともに劣化した外壁の修繕や、入居者が退去した時のハウスクリーニング代などが発生します。いざという時に支払えるように、余剰資金を残しておくのが大事です。

不動産投資を始める際にかかる諸経費の種類

不動産投資は物件自体の購入代金だけではなく、さまざまな手続きに諸経費が発生します。

「諸経費で、予算よりも大幅に出費が増えてしまった…」という失敗も考えられるため、こちらの金額も考慮したうえで物件を選ぶ必要があります。主な諸経費は以下のとおりです。

  • 仲介手数料
  • 登録免許税
  • 印紙税
  • 司法書士への報酬
  • 火災保険,地震保険料
  • 不動産取得税
  • 住宅ローンの融資手数料
  • 住宅ローンの保証料
  • 住宅ローンの団体信用生命保険料

上記の中で、特に大きな金額がかかるのは仲介手数料です。

仲介手数料は、物件の売主と買主を仲介する不動産会社へ支払います。売主が不動産会社なら仲介手数料はかからないこともあります。

また、司法書士への報酬も高額になりやすい経費のひとつです。物件購入時は、不動産の所有権を売主から買主へ移転したり、不動産投資ローンを組む際に抵当権を設定したりと、複雑な手続きが発生します。

個人でこれらの手続きを行うのは困難なため、司法書士に依頼するのが一般的です。報酬は一律ではなく、依頼する司法書士によって金額が異なります。

頭金0円でも不動産投資は可能

不動産投資ローンでは、購入する物件を担保にお金を借りられるケースがあります。

銀行などの借入先に不動産の価値を高く評価され、物件の購入金額の100%を融資するフルローンが承諾される場合があります。そうすれば、頭金0円または少額の頭金で投資を始められます。

頭金なしでも融資してもらいやすいのは、将来的に資産価値が上がりやすい、もしくは価値が下がりにくい物件です。例えば利便性の高い駅チカの土地や、新築の物件が挙げられます。

必要な自己資金の目安

不動産投資に必要な自己資金(頭金+諸費用)の目安は、一般的に物件価格の20~30%です。具体的にどのくらいの金額を用意したほうが良いのか説明します。

中古or新築によって価格が違う

前述したとおり、不動産投資ローンの審査で物件購入金額の全額融資が承諾されれば、自己資金の頭金分は0円で済みます。

しかしローンの審査は、申し込む人の年収や勤続年数、家族構成などの属性にも左右されるため、希望通りの金額を融資してもらえるとは限りません。ローンの審査に落ちてしまい、まったく融資を受けられないということも考えられます。

頭金を物件価格の10%~20%くらい用意したほうが、審査を通過する確率が上がると言われています。仮に3,000万円の物件を購入するなら300~600万円は用意したほうが良いでしょう。

また、諸費用の自己負担額は購入する物件が中古、または新築かによって異なります。一般的に中古物件は7%~10%、新築物件は4~7%が目安です。

そのため3,000万円の物件の場合、中古なら210~300万円、新築なら120~210万円程度かかります。中古物件は仲介手数料がかかることが多いので、諸費用が新築物件より高額になりがちです。

自己資金別で購入可能な物件の例

自己資金の金額別に、購入できる物件の種類や価格を紹介します。

なお、購入可能な物件価格の算出には、以下の計算式を使用しています。

物件価格=自己資金÷(頭金の割合+諸費用の割合)

例として「頭金10%・諸費用7%」と「頭金20%・諸費用7%」の2パターンをみていきましょう。申込人の信用力や購入物件の価値が高いほど、少額の頭金でも融資を受けられる可能性があります。

自己資金0円の場合

ローンで物件金額を100%融資してもらうフルローンの審査を通過すれば、頭金0円で投資を始められますが、諸費用は負担しなければなりません。

諸経費の目安はすでに解説したとおり、中古物件は7%~10%、新築物件は4~7%程度です。

自己資金100万円の場合

・「頭金10%、諸費用7%」

100万円÷(10%+7%)=約588万円

・「頭金20%、諸費用7%」

100万円÷(20%+7%)=約370万円

自己資金100万円の場合、500万円前後の物件を購入可能です。そのため、中古の区分マンションなどが一般的です。

自己資金300万円の場合

・「頭金10%、諸費用7%」

300万円÷(10%+7%)=約1,764万円

・「頭金20%、諸費用7%」

300万円÷(20%+7%)=約1,111万円

自己資金が300万円あれば、1,000万円~2,000万円くらいの物件を購入可能です。中古の区分マンションや中古の戸建て賃貸を検討できるでしょう。

自己資金500万円の場合

・「頭金10%、諸費用7%」

500万円÷(10%+7%)=約2,941万円

・「頭金20%、諸費用7%」

500万円÷(20%+7%)=約1,851万円

自己資金を500万円用意できれば、頭金次第で3,000万円前後の物件が購入可能です。中古・新築の戸建て賃貸や、中古一棟アパートも検討できるでしょう。

不動産投資をしている人の年収

実際に不動産投資をしている人の年収や年齢を、不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家」が、会員を対象に行ったアンケート調査「第15回不動産投資に関する意識調査」をもとに解説します。

回答者の中で最も高い割合を占めていたのは、年収700万円~1,000万円未満、2番目に多いのは年収1,000万円~1,500万円未満です。年齢は45~50歳が最も多く、全体の36.1%を40代が占めています。

高収入が多い印象ですが、自己資金は500万円未満で投資している人が1番多く、物件価格の10%を自己資金でまかなっている割合が特に高いという結果です。

不動産投資資金の調達(ローン)について

自己資金を調達する際は、不動産投資ローンを利用するのが通常です。不動産投資ローンと住宅ローンの相違点や、審査に通りやすい人の特徴を説明します。

不動産投資ローンの特徴

不動産投資ローンとは文字通り、不動産投資を目的として金融機関からお金を借りられるローンの名称です。

不動産を購入する際に借りるローンといえば、住宅ローンをイメージする方も多いでしょう。2つの主な違いは、物件を購入する目的です。

住宅ローンは、自身や家族が住むための家を買う時に使うローンです。それに対して不動産投資ローンは自身ではなく他人が住み、家賃収入や不動産売買などで収益を得るのが目的です。

自己資金を自身の預貯金から余裕を持って用意できるなら、不動産投資ローンで借りるお金は少なくて済みます。ただ、ローンの割合を増やしたほうが、高いレバレッジ効果を得られるのがメリットです。

レバレッジ効果とは、少ない力で大きな成果を得られる「テコの原理」のことです。不動産投資で考えると「少額の自己資金で、高い利回りを得られる」ことを指します。

例えば自己資金500万円で利回り3%の物件を購入した場合、年間の利益額は15万円です。しかし自己資金500万円+ローン500万円の合計1,000万円を用意して、同じく利回り3%の物件を購入するとしましょう。

見た目の利回りはどちらも3%ですが、年間の収益額は30万円にアップします。不動産投資ローンを活用したほうが、レバレッジ効果により高い収入を得られるのです。

不動産投資ローンの審査基準

不動産投資ローンは、申し込む人の信用力に加えて、購入する不動産の価値も審査対象です。どちらかに問題があると、審査に落ちてしまう可能性があります。

審査に通りにくい方の特徴は、以下の4つです。

  • 個人信用情報に傷がついている
  • 申込人の属性や年収が好ましくない
  • 不動産の価値が低い
  • 自己資金が少ない

それぞれ詳しく解説します。

個人信用情報に傷がついている

個人信用情報は、金融機関が審査をする際に必ず参照するデータです。申込人のローンやクレジットカードの支払い状況が記録されています。

そちらに延滞・滞納・自己破産といった、金融機関にとって不利益な情報が記載されていると、審査に通過する可能性は極めて低いでしょう。

申込人の年収や勤続年数が好ましくない

申込人の信用力を判断するうえで特に重視されるのは、勤務先に関する情報です。年収が高く勤続年数が長い方は、今後も収入が安定していると判断され、審査に通りやすいでしょう。

その反面、購入物件に対して年収が低すぎたり、自営業やフリーランスなどで毎月の収入に大きな差があったりすると、審査に落ちる原因になります。

不動産の価値が低い

金融機関は、ローンの対象になる不動産を担保に設定します。担保にする理由は、万が一借主がお金を返せなくなったとき、不動産を売却することで貸したお金を回収するためです。

そのため金融機関は、将来的に資産価値が向上する可能性が高い物件を好みます。例えば築年数が長く、すでに耐用年数を超えている物件は資産価値が低いと判断されます。資産価値が低い物件は、審査にとってマイナスの要因です。

自己資金が少ない

自己資金の少なさも、審査に落ちる原因のひとつです。年収が高く預貯金が豊富にあるなどのプラス要因があれば、少額の自己資金やフルローンも狙えます。

その一方で年収や預貯金が少ないのにも関わらず、フルローンを希望している場合は、審査通過は厳しいでしょう。

なぜなら、修繕費などの諸費用が発生した場合や、空室期間が長く家賃収入が入らなくなったときに、お金が足りなくなる可能性があると判断されるからです。

不動産投資ローンを利用する際の注意点

不動産投資ローン利用時の主な注意点は、以下の2つです。

  • 利息負担が発生する
  • 金融機関探しより物件探しを優先する

利息負担が発生する

不動産投資ローンの最も大きなデメリットは、利息の支払いが発生するところです。ローンの割合を増やすと高いレバレッジ効果を狙えますが、そのぶん利息負担が増大します。

仮に1,000万円を融資期間30年、金利2%で借入した場合の総支払額(元金+利息)と利息額はこちらです。

総支払額:約1,330万円

利息額:約330万円

融資期間を短くすれば、もっと利息の支払額を減らせますが、毎月の返済額が増えてしまいます。自身が余裕を持って支払いを続けられるように、きちんと返済計画を立てることが大事です。

金融機関探しや手続きに時間がかかる

不動産会社を通して新築物件を購入する場合、その業者が提携している金融機関を紹介してもらえるケースが多いです。

しかし中古物件を購入する際や、不動産会社を通さないで契約する場合、自身で金融機関を探さなければならないことがあります。

さらに融資を受ける際は、源泉徴収票・印鑑証明書・登記簿謄本などのさまざまな書類を提出しなければなりません。

審査の申し込みをしてから、実際に融資を受けるまで1カ月程度の時間がかかる可能性もあります。物件選びと並行して余裕を持って行動するようにしましょう。

神藤 健誠

  • AC事業部
  • 神藤 健誠

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コラム編集部

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